2013/02/26

錦織の進化が止まらない!


テニスの記事はしばらくご無沙汰でした。お久しぶりのイチハルです。
錦織圭が24日に行われたメンフィス決勝でロペスを破り、自身3度目となるタイトルを手にしました!

U.S. National Indoor Tennis Championships @Menphis, USA
錦織圭 6-2, 6-3 Feliciano Lopez


メンフィスはしばしば穴場大会と呼ばれるだけあって、実は最初から今大会での優勝を密かに期待していたのですが、まさか全試合ストレート勝ちでの優勝とは!期待以上の活躍に思わず顔がほころんでしまいました。


今大会での錦織は自身も語っているようにサーブが安定しており、もともとのストローク力も相まって、安心してい見ていられる試合が多かったように思います。エース数こそ1試合辺り3〜4本といったところですが、ほとんどの試合で2ndサーブでも60%以上ポイントできていたことが大きいですね。

以前は課題と言われていた2ndサーブ。映像で見ると変化がわかりにくいところはありますが、スタッツには進歩のあとが如実に表れています。

しかし私が見ている限りでは、サーブの向上だけではないプレーの変化がもう3つは見て取れました。錦織の進化が止まらない!今回はその変化について書いていきます。上に示した決勝の動画と、下に示すチリッチ戦での動画を参考にしていただけるとわかりやすいかと思います。

http://www.youtube.com/watch?v=hiQtiFKhUDU
(リンク切れ)



更に強化された切り返し


パッシングまで含めた切り返しの能力がますます強化されているように思います。錦織はもともと足が速く、粘り強さも持っていましたが、以前はジョコビッチやマレーのように一発で形成を逆転するような切り返しを行うことはそう多くありませんでした。

どちらかといえば粘って粘って相手が甘くなったところを攻勢に出るという感じで、そこそこ手数をかけてポイントの流れを持ってくる。

それに対して今大会では、走らされたところからの切り返しがビシっとコーナー深くに決まっていました。そこで一挙に形勢逆転。その切り返し自体がウィナーになる、あるいはその次のボールで仕留めるというシーンが多く見られました。

パスについても、視聴者からしてしっかりボールに入れさえすれば素晴らしいパスが放たれるだろうという安心感を覚えます(チリッチ戦0:42、4:59、5:56あたりがわかりやすい)。

対戦相手にとっては不用意に攻めることができず非常に厄介なはずです。このように相手に脅威を与えられれば、今度は攻撃のチャンスが増えてくる。本来攻め手の多彩さには定評のある錦織ですから、これはゲーム進行上大変有利にはたらくでしょう。



バックハンドでオープンスタンスを多用


今までもさながら左手のフォアハンドのように自在にボールを操っていたバックハンドですが、今大会ではバック側に来たボールを捌くのに、完全なオープンスタンス(身体が正面を向いたまま、打球後も右足をクロスさせない)のままで打球を処理することが少なくありませんでした。参考までに昨年の楽天オープン決勝の動画を載せます。

http://www.youtube.com/watch?v=cv4QTQW7Q88
(リンク切れ)

これを見るとわかるように、これまではセミオープンスタンスや打球後に右足をクロスさせる緊急避難的なオープンスタンスは用いているものの、今回ほどあからさまなオープンスタンスではないことがわかります。

これまでバックハンドのオープンスタンスといえばジョコビッチの専売特許2となっていましたが、錦織のものはそれともまた異なるものです(チリッチ戦1:34や3:25あたりがわかりやすい)。

錦織の大きな武器であるバックハンドの変化が今後どのような影響をもたらすのかはわかりませんが、この変化は少なくとも今大会では、先に紹介した切り返し能力の向上に一役買っているように思われます。



帰ってきたダイナミックなフォアハンド


個人的に何より気になっているのがこれです。

みなさんもお気付きかと思いますが、錦織は2011年に守備力向上に取り組んで以降、それまで錦織の代名詞でもあったジャンピングショットを封印してきました。

調子の良い時やエキシビジョンなどでは時折見せていましたが、試合ではごくまれにバック側に浮いた球をジャックナイフで叩くくらいで、チャンスボールを叩くときもなるべく水平方向の回転に留めようとしているのが見て取れました。

おそらくはそれまで度々あったボールヒッティングのムラ(調子が悪いとフレームショットを量産することもあった3)をなくすという意味合いでのものだったと思います。

それが今大会では、以前と比べて明らかにフォアハンドでのジャンピングショットの比率が増えています。特に深い跳ねるボールを下がりながら振り抜くようなショットが多く見られましたね。かつては頻繁に見られたショットでしたが、しばらく目にしていなかったため大変新鮮な感じを受けます。

下がりながらのショットであるにもかかわらず、錦織はこれをウィナーを狙うショットとしても使用していました。下がりながらのショットであるだけに、相手は不意をつかれてエースになることもあります。

 またフォアハンドに関してもう1つ、ほとんどベースラインと平行に移動しながら放つ回り込みフォアハンドのダウンザラインもあまり姿を見せなくなったいたショットの1つですが、なんとこれも今回復活していました。

決して遅くはないボールをライジング気味に叩きこむショットであるため、以前はタイミングが合わずにサイドアウトするシーンもよく見られましたが、今回はうまくウィナーになっていましたね。

 錦織がどういう意図でこれらのリスキーなショットを再び用いるようになったのかはわかりませんが、かねてよりの錦織のファンとしては嬉しい変化でもあるでしょう。

これまで守備面やサーブ力の地固めを行なってきた錦織が、ここに来て本来の自分のプレーを取り戻そうとしているという見方もできます。ただしそれによって再び悪い面まで出てきてしまってはどうしようもありませんから、そこは注意深く見守って行きたいと思います。



総評:もはやトップ10は時間の問題か


以上のように、錦織のプレーは日々進化していると言っていいでしょう。昨年の楽天オープンでのプレーも素晴らしかったですが、その時はとにかく好調という印象だったのに対し、今大会でのパフォーマンスはコンスタントにこのレベルのプレーができるようになったという感じがします。

格下相手に取りこぼしをしないというだけでなく、ラウンドが上がるごとにそれに応じてプレーレベルも上がっていくようなコンディショニングができてきたのではないかとも思いますね。

確かに大会自体はトップ層の参加もありませんでしたし、第2〜4シードが全滅したりと棚ボタ的要素は多分にあったと思います。とはいえ第1シードのチリッチを難なく倒し、終始安定したプレーを見せた錦織が進歩しているというのは確実で、いよいよ本当にトップ10が間近だと思っていいのではないでしょうか。

もちろん長年の懸案事項である怪我にはこれからも十分に気をつけなければならないでしょうが、自力は確実に付いていると思います。今大会のポイントを加算すると16位となる錦織。今年こそぜひとも悲願のトップ10入り、そしてツアーファイナル出場を果たしてほしいものです。

私自身も最終学年ということもあり何かと慌ただしい2013年ですが、錦織の応援だけはしっかりやって行くつもりです!ではまた!

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