2013/09/15

テロリズムと戦う国試問題?


ちょうどいま、卒業試験真っ只中なのですが、先日救急医学の勉強をしていて面白い問題を見つけました。


107-G-63
25歳男性、気分不良を主訴に来院した。
現病歴:官庁街近くのレストランで昼食をとっていたところ「液体のようなものがまかれた」という声がして、レストラン内で数人が倒れた。気分が悪くなったためレストランから飛び出し、徒歩で近くの病院を受診した。会話は可能であり、目の前が暗く感じ、鼻水が止まらないと訴えている。
病院の受付から報告を受け、患者を他の患者と接触のない救急室の一室に隔離するよう支持した。最初に行うべきなのはどれか。


a. 警察に問い合わせる
b. 動脈血ガスを測定する
c. バイタルサインをチェックする
d. 症状と発症時の状況とを詳しく聞く
e. 患者に服を脱いでもらい、密封できる袋に詰めてもらう



これ、パッと見て有機リン系の薬物による化学テロを想定したものだとわかりますよね。95年の地下鉄サリン事件を思い出したという方、多いと思います。私もそうでした。私自身は当時6歳。まだ世の中のことなど何も知らないひよこちゃんだった私ですが、朧気ながらも当時連日のようにテレビ報道がなされていたのは覚えています。

ちなみに正解は「e. 患者に服を脱いでもらい、密封できる袋に詰めてもらう」。治療にあたる医療者への二次被害を防ぐために、まずは除染と安全の確保を行うということでした。

医師国家試験に限ったことでもありませんが、試験問題には常に「出題者の意図」が含まれています。医師国家試験予備校の講師などもよく、「試験問題は出題者からのメッセージなんだ」という話をします。「医師としてこれは覚えていてほしい」「このぐらいの知識や常識は持っていてほしい」という出題者の願いが、今にも医師国家試験をパスして1人の医師として社会に出ていくひとりひとりが向き合うべき問題として表れているといいます(どこまで本当かはわかりませんが…)。

この問題が出題された昨年、最も若い学生は平成元年生まれ。当時からはやくもまる18年を迎えようかというタイミングでこの問題が出題された意図は…?

「月日が経ち忘れ去られようとしていく事件を、風化させることなく次の世代に伝えていかなくてはならない」という決意の表れなのでしょうか。そうだったらいいな〜、と思いながら問題を解きました。

0 件のコメント:

コメントを投稿